『WHITE ALBUM2』の記録② 小春ルート雑感

現在プレイ中のゲーム『WHITE ALBUM2』の小春ルートが終わったので、雑感を書き残しておきます。以下はネタバレ注意。

ノーマル→麻理→小春の順でプレイ。

・杉浦小春というヒロインについて。最初というか容姿からの第一印象は色んなところのサイズが小さめなまあよくある小動物系の後輩キャラかなというものでしたが、ちょっと喋っただけでその印象は覆りました。真面目で堅物で度を超す程のお節介で……春希にそっくりな性格で、昔の春希のようなお節介ぶりで美穂子のために春希へ近づいてきたわけですが。まあ中々にインパクトがありましたね。
勿論全く春希と同じというわけでもなく、むしろ春希からすれば自分をも超えられる大器であるかのように思われていました。まさしくこのまま良き方向へと育てば間違いなく春希の上位互換にもなれたでしょう。可愛い女の子の時点で上位互換だけど。

春希も小春に対してはどこか羨望の眼差しもあったのでしょうか。

・しかしながらそううまくはいかないのがゲームの常。美穂子との決定的な断絶が生まれてしまい小春は悩み苦しむことになります。小春ルートではこの問題にどう決着を着けるのかがそのままシナリオのクライマックスになるので、従来の個別ルートっぽいつくりでしたね。

・シナリオについて。春希・小春・美穂子の人物配置は共通部分から既に見えていたので、春希と小春がいい感じになってしまったら美穂子が騒ぎ始めてギスるんだろ？みたいな予想を立ててました。まあ結果は遠からずとも当たらず？　美穂子自身は積極的に騒ぎ立てるほど活動的ではなかったというか、基本引きこもってばかりでしたからね。どちらかと言えば美穂子から話を聞いた早百合が決定的な引き金を引いてしまいました。そしてそれに対して、小春の方もどちらかと言えば火に油を注いでしまった感のある対応だったのでここまで炎上してしまったのかなと思います。
しかしながらいじめネタで鬱展開はしんどい……いや鬱展開の常套手段なんですけど、このゲームは今まで人間関係の妙とキャラの心情の表現で鬱を演出してきた技巧派だったからこそ、ここに来ての腕力での鬱はとても効きました……。

そんなことしちゃダメだ……と思いつつもゾクゾクさせられた展開。

・個別ルート入りたてのころは、クリスマスイブの雪菜との件でボロボロになった春希に対して「小木曽先輩のこと嫌いになりそう。北原先輩は悪くない！」とまで言いのけるほどの春希全肯定っぷりを見せ、全面的な春希の味方となったのが印象的でした。そこから互いに惹かれ合い、ついには一線を越えることとなります。
春希は小春によって癒やされていく一方、小春の方は美穂子やクラスメイトとの溝が深まり、結果として心に深い傷を負っていくことになります。ルートの後々で春希もこのことに気付き小春の「唯一の味方」となるわけです。傷ついた者とそれの味方をする者、このルートではその逆転していく関係性の構図が美しかったシナリオでした。

・小春の変化について。恋をすると良かれ悪かれ人は変わるものですが、小春についてはそれがより顕著に描かれていたのではないでしょうか。真面目な委員長タイプの人間でしたが、春希との仲を深めていくとまあ甘々のデレデレですよ。真面目系の娘がいう「悪いコ（いけないコ）にしてしてください」みたいな発言超すき。

自身のスペックを活かした小動物的な可愛さを発揮。

・更に特徴的な変化として、嘘をつくようになった点。それはバイト仲間に春希との交際を隠すためであったり、あるいは学内での境遇を春希から隠すためであったり、果てには春希の携帯に来ていた雪菜からのメールを勝手に削除するなんてことまでしてしまうように。そんなことをしてしまった背景には学内での誹謗中傷によるストレスでボロボロになっていたというのもあるでしょう。しかしながらあの正義感のある小春がどんどん「堕ちて」いくかのような変化には悲しい気持ちにもなったり、またある意味では仄暗い情欲をかき立てられたりもしました。

すっかり悪いコになりやがって……まあ可愛いからいいか！

・シナリオの締め。まあそんなこんなで精神的に傷だらけの小春にとって唯一の逃げ道である春希の元へズブズブと縋るのもそろそろ限界が近づいており、また春希も意外なルートで小春の学内での辛い境遇を知ったことで、ようやく春希が小春の味方となって問題の解決にとりかかります。この辺りから小春も本来の性格を取り戻してくれたのでとても嬉しかったですね。
最終的には美穂子や早百合らといった小春周りの友達とは無事仲直りできたのでハッピーエンド！　良かった……本当に良かった……。でもあくまで個人的な感想ですが、美穂子とかいう地雷にはあんまり近づかなくていいと思います（）

・雪菜の弟・孝宏くんが本ルートでは存在感を見せつけてくれました。クラスが小春disの流れになっても流されなかったり、小春の陰口を言う生徒に強めに叱りつけたりと、かなり見直しました。それでこそ委員長。
正直今までは存在意義があまり感じられないキャラでしたが、今では春希と小春と雪菜を結びつけるためのポジションだなと確信してます。実際春希の年下の後輩ヒロインを登場させるのであれば必要な存在ですし、ちゃんと逆算された上でのキャラ配置にも見えるのでなるほどなと感嘆しました。あと雪菜と同じ血が通っているから春希に似た小春を好きになった、というのも上手い構図だと思います。

・小春ルートの雪菜について。麻理ルートに比べると出番は少なめ。しかしながら最後に小春との直接対決があったので震えました。マジで出てきた時はラスボスが来た……って絶望しました。 でも予想に反してギスギスになるというよりは小春のことを（表面的なものかは分からないが）気に入ってくれたようです。助かった……。

どれほどの想いが巡った上で、この言葉が出てきたのかと思うと……。

・春希との別れの描写も回想にてあっさりめで行われました。しかしまあこのゲームはやはり雪が降った時はろくでもないことが起きてますね。ちゃんと覚えておきます。あと各ルートごとに雪菜を振った時のCGが用意されてるのねこれ……キッツいな……。
また個人的に意外だったのが、このルートでは雪菜は中学のころに仲違いした親友グループと同窓会にて仲直りしたという話です。雪菜というキャラの人格形成を考えるに、中学の親友との断絶という事件は雪菜にとっての比重は大きく、かつゲームとしてもそれ相応に扱いが大きくなるもので、ともすれば雪菜ルートで触れられる話でもおかしくはないと思っていましたが、こんな脇道でひょこっと出てくるとは完全に予想外でした。この件は特にこれ以上の掘り下げはないのかな……？

・エロについて。春希の背中に爪を立てて傷をつけたり、あるいは自身の背中にキスマークをたくさんつけさせたり（後でクラスの女子生徒に着替えの際に見せつけるためでもあるが）と、もしかしてお互いの身体に傷跡を刻みたい的な性癖だったりするんですか！？ってビビってました。やっぱり悪いコじゃないか（確信）。
結構このゲーム、性癖関連は割合攻めてますね。シナリオゲーの傾向に漏れずエロは薄め・大衆向けなプレイだと想定していましたが、驚くことの方が多いです。あ、バイト先の制服着てバイト先でのエッチはしっかりあって良かったです。王道ですもんね。

・おまけ。こういうヒロインがつま先立ちしてる足元だけ映すCGとか、顔を背けて表情が見えない立ち絵とかって大好きです。

これもまた演出の一つですね。

次は千晶ルート！

本記事の画像は全て ©2009,2011 Leaf/AQUAPLUSより引用しています。